秋も深まり、夜が長くなるこの時期。
室内で過ごす時間が増えると、照明や家電の使用頻度も上がります。
その一方で、この季節は湿気とホコリが溜まりやすいことから、
「ブレーカーが落ちる」「コンセントが熱い」といった相談が増える時期でもあります。
実際に現場で調べてみると、原因は“延長コードの劣化”というケースが少なくありません。
見た目は問題なくても、内部で被覆が硬化し、発熱やノイズの原因になっていることも。
延長コードは家電を支える「見えない安全装置」。
この記事では、電気工事士の立場から、安全で長持ちする延長コード選びのコツを解説します。
関連記事

🔌 延長コードを選ぶときにチェックすべき6つのポイント
① 差込口は「多め」にして余裕を持つ
ACアダプターや充電器は意外と幅を取ります。
結果、隣の差込口がふさがり、タコ足配線になることも。
💡 差込口は「使う予定+2口」が理想。
余裕があるほど見た目もスッキリ、安全にもつながります。
② 定格容量は「1500W」を選ぶ
延長コードには「定格容量(何ワットまで使用可)」があり、
1000Wや1200Wタイプでは、ケーブルが細く発熱しやすい傾向があります。
電気ポットやヒーターなどの高消費電力家電を使うなら、1500W対応は必須。
コードの太さが違うだけで、耐久性と安全性がまるで変わります。
💬 実際、1000Wタイプで“コードが熱い”という相談は少なくありません。
長年の使用で被覆が硬化し、発火寸前までいった例もあります。
③ ほこり・水分に強い構造を選ぶ
プラグ部分にほこりや湿気が入り込むと、トラッキング火災の原因になります。
例
パナソニック(Panasonic) ザ・タップX 安全設計扉・パッキン付コンセント 6コ口
「ほこり防止シャッター」「防水パッキン付き」などの機能があると安心です。
差しっぱなしの延長コードほど、ホコリが蓄積しやすく要注意。
💬 現場でも、家具の裏でホコリが固まっていた例を何度も見ています。
火災は“見えない部分”から起こる。これが怖いところです。
④ 雷ガード付きで突然のトラブルに備える
雷サージ(誘導雷)は、遠くの落雷でも家の配線を通じて侵入します。
パソコンやルーター、音響機器を守るためには雷ガード付きが有効。
内部の「バリスタ」が過電圧を吸収し、機器を保護します。
例
関連記事
💡 一度強い雷を受けると劣化するので、
定期的にランプの点灯状態を確認するのがおすすめです。
詳しくは → 家庭でできる雷サージ対策と分電盤の見直し方法
⑤ プラグ(差し込み部分)は「回転式(スイングプラグ)」を選ぶ
延長コードを壁のコンセントに差すとき、
プラグの向きが固定だと、家具や棚に当たってしまうことがあります。
そこで便利なのが、回転式(スイングプラグ)。
コードの向きを自在に変えられるので、狭い場所でもスッキリ配線できます。
さらに、プラグにかかる力が軽減され、断線防止にも効果的。
例
💬 私の現場でも、「家具の奥でコードが折れて断線していた」という事例を何度も見ています。
見えない場所ほど、柔軟に動く構造が役立ちます。
⑥ 抜けかかっても感電しない設計を
プラグ根元の黒い帯(絶縁キャップ)は、
抜けかけたときの感電防止のための保護パーツです。
💡 この“ちょっとした黒い部分”が、実は命を守ります。
安全設計の延長コードは、見た目よりも中身が重要です。
🧰 延長コードの“買い替えサイン”
安全に見えても、内部は劣化していることがあります。
以下のようなサインが出たら、早めに交換を検討しましょう。
- プラグが熱くなる
- コードが硬くなって白っぽい
- 差込口がゆるい、カチッと入らない
- 使用中に「ジジッ」と音がする
💬 延長コードの寿命は約5年が目安。
特に家具裏や湿気のある場所では、もっと早く劣化します。
💡 屋外やガレージでは「防雨タイプ+アース付き」を
屋外では屋内用コードの使用は厳禁。
防水・防塵(IPX3以上)+アース付き防雨型を選びましょう。
例
ハタヤ (HATAYA) 2P接地付 延長コード 屋内用 コード10m
チェック項目 | 理由 |
---|---|
電線が太い(2.0mm²以上) | 発熱しにくい |
アース付き(3芯) | 感電・漏電対策 |
防雨構造(パッキン・キャップ付き) | 雨や湿気をブロック |
💬 「屋外でアースなし」はNG。
アース線は感電から命を守る“安全の最後の砦”です。
💬 プロが教える延長コードの正しい使い方
- 使わないときは抜く。
→ 待機電力を減らし、火災リスクを軽減。 - 巻いたまま使わない。
→ 熱がこもって被覆が溶ける原因。 - 踏んだり、折り曲げたりしない。
→ 内部の銅線が断線してショートの危険。 - 家具の下に通さない。
→ 圧迫や振動でコードが傷みやすい。
🧭 まとめ
延長コードは「ただの線」ではなく、
家電と命を守る、安全の要です。
- 差込口は多めにして余裕を。
- 定格1500Wで太いケーブルを選ぶ。
- ほこり・水分対策を怠らない。
- 雷ガード付きで電子機器を守る。
- プラグは回転式で断線防止。
- 絶縁キャップで感電防止。
- 屋外は防雨+アース付き。
- 寿命は約5年、異常があれば即交換。
💬 延長コードを正しく選び、正しく使うこと。
それが、家を守り、家電を長持ちさせる一番の秘訣です。
配線が増えてきたら、専用コンセント増設工事も検討しましょう。
🔧 最後まで読んでいただきましてありがとうございます
東京都足立区の電気工事店「でんきのひがき屋」の檜垣(ひがき)がお届けしました。
電気のお困りごとがあれば、
LINE公式アカウントからお気軽にご相談ください!
初回工事限定で「10%OFFクーポン」を配布中です✨
▼ LINEで友だち登録はこちら ▼

商品紹介のリンクは、Amazonアソシエイトリンクを使用しています。