皆さま、こんにちは。 東京ライフスタイルホールディングス合同会社の檜垣由紀です。 10月も後半に入り、秋の風が心地よい金曜日となりました。いかがお過ごしでしょうか。
先週のブログで「目に見えないインフラ(Wi-Fiルーター)」の新調についてお話しし、最後に「来週は、目に見える会社の顔をリニューアルします!」と予告させていただきました。
その予告通り、昨日の朝(10月22日)、自宅兼事務所のエントランスに新しい「会社の表札」を無事に取り付けることができました!
なぜ、今までずっと「テプラ」だったのか?
これまで我が家のポストには、細いテプラで社名や各部門の名前を貼っていました。 「会社なのに、どうしてきちんとした看板を作らないの?」と思われていたかもしれません。
実はこれ、単に後回しにしていたわけではなく……1期目の私には、「怖くて看板を作る勇気が持てなかった」という切実な理由がありました。
今でこそ我が社の大きな柱となっている電気工事部門「でんきのひがき屋」ですが、会社設立の1期目には存在していませんでした。もともと主人は「電気工事士を辞めて、輸入事業をやりたい」という想いでこの会社を立ち上げたのです。
ところが現実は厳しく、輸入事業は思うように成果が出ず、主人は前の会社を辞めることもできず……まさに暗中模索の苦しいスタートでした。
当時の私は、バックオフィスを預かりながら「この会社、もしかしたらこのまま潰れてしまうんじゃないか……」と毎日不安で胃が痛む思いでした。
会社用のパソコンを揃えるために創業融資を受け、Appleの法人営業の方とお話しした時のことです。 「会社のドメイン(専用のメールアドレス)はないんですか?」と聞かれ、思わず言葉に詰まりながら「……まだ作れていないんです」と答えました。
作れなかったのではなく、「会社が存続できる自信がなさすぎて、月々の契約やドメイン代を払う決断すらできなかった」というのが本音でした。
個人用のAppleアカウントと、20年以上続けてきた「こねこのて音楽教室」の実績をお伝えして何とか購入手続きはできたものの、電話を切ったあと「先方も『この会社、本当に大丈夫か?』って思っただろうな……」と情けなくて、一人で震えていたことを今でも覚えています。
会社の看板を掲げるということは、地域や社会に対して「私たちはここに根を張り、逃げずに続けていく」と宣言すること。
先が見えない恐怖の中にいた1期目の私にとって、ちゃんとした表札を作ることは、あまりにも重く、手が出せないハードルだったのです。
税理士さんの宣告と、夫婦それぞれの覚悟
そんな1期目の決算を前に、税理士さんから突きつけられたのは、あまりにも現実的で厳しい言葉でした。
「ご主人は、会社員に戻った方がいいと思います」
「そうでなければ、現場に出てかなりしっかり売上を立てないと会社の存続は難しい。一番現実的なのは、ご主人が会社員に戻って、奥さんの音楽教室だけでミニマムに法人経営をして創業融資を返済することです」
頭を鈍器で殴られたような衝撃でした。
主人は電気工事をやるにしても「一般家庭や小さなお店の、暮らしに寄り添うお手伝いだけをやりたい」と願っていたのですが、それに対しても税理士さんは「最初からそれだけでは立ち行かない」ときっぱり。
絶望の中で思い出したのが、会社の「定款(ていかん)」でした。
会社を作るとき、「ひょっとしたら、いつか電気工事も手伝い程度にやるかもしれないしね」と、念のために一行だけ忍ばせておいた【電気工事業】の文字。
その小さな一行が、崖っぷちにいた我が社の命綱になりました。
そして、危機感を抱いたのは主人だけではありません。
「私も、音楽教室を今まで通りにやっているだけじゃダメだ。事業としてちゃんと成り立たせなければ、会社を支えられないし、何より生徒さんに良いレッスンを届け続けることすらできなくなる」
それまでの教室運営は、ありがたいご縁に恵まれつつも、月によって浮き沈みがありました。
「お小遣い稼ぎではなく、ひとつの独立した事業として成立する音楽教室へ育て上げる」と覚悟を決め、時代や物価の変化を受け止めてレッスン費の改定に踏み切り、ホームページや発信のあり方もゼロから見直しました。
主人もプライドを横に置き、職人仲間からの人工応援の現場へ飛び出していきました。
当時は「大きな工事を受けるのと何が違うんだろう?」と仕組みもよく分かっていませんでしたが、材料のリスクを抱えず、39年磨き上げた「腕ひとつ」で確実に価値を届けて日当をいただくことの尊さを、その後、身をもって知ることになります。
動き出した歯車と、生まれた信頼
夫婦それぞれが「事業を成り立たせる」という覚悟を持って走り出した2期目。
少しずつ、でも確実に風向きが変わり始めました。
主人が朝早くから泥だらけになって現場を駆け回る背中を見ながら、私はWebやSNSを通じて、主人の技術と誠実な人柄、そして現場のストーリーを地域へ発信し続けました。
すると、応援現場で職人仲間から信頼をいただけるようになっただけでなく、私たちが本当にやりたかった「暮らしやお店に寄り添う電気工事」のご依頼が舞い込むようになったのです。
モノトビさんの事務所リフォーム、アパートの大家さんからの度重なるご相談、個人宅のエアコン取り付け……。
音楽教室も、発信や運営を見直したことで価値観に共感してくださる生徒さんとのご縁が広がり、税理士さんからも「教室の売上がしっかり伸びていますね!」と評価していただけるまでになりました。
手探りながらも夫婦二人三脚で駆け抜けた結果、我が社は2期目に黒字化を達成。
音楽教室も「満席」を経験し、でんきのひがき屋も今では「10月度も工事枠が満員御礼」となるほど、たくさんの温かいご縁に恵まれています。
「安心」ではなく、「やっとスタートラインに立てた」
「もう、大丈夫。私たちはこの足立区の地で、胸を張って生きていける、と、思う」
ついにテプラを卒業してオーダーしたステンレス調の表札。
届いたプレートを、物事を引き寄せる「友引」と弁財天の縁日である「己巳(つちのとみ)の日」が重なった昨日10月22日の朝、主人と一緒に取り付けました。
「ここ、あと1ミリ右だな」
「水平、合ってる?」
39年間ミリ単位の施工をしてきた主人が、真剣な手つきで位置を合わせ、門柱の特等席(表札とインターホンの間)へピシッと設置してくれました。
そこには、我が社の歩んできた道が4行に刻まれています。
東京ライフスタイルホールディングス合同会社
電気工事部門 でんきのひがき屋
ECサイト部門 東京商店 本店
音楽教室部門 こねこのて音楽教室

朝の光を浴びて静かに輝くそのプレートを見たとき、1期目のあの苦しかった日々が胸をよぎりました。
でも、湧き上がってきたのは「安心感」ではありませんでした。
「よし、ここからが本当の始まりだ。会社、もっともっとがんばらなきゃ!」という、身の引き締まるような思い。
私たちは昨日、やっと本当のスタートラインに立てたのだと思います。
これからも、等身大の歩みを一歩ずつ
我が社がこうして看板を掲げられる日を迎えられたのは、いつも頼ってくださる地域の皆さま、音楽教室の生徒さんや保護者の皆さま、現場に呼んでくださる職人仲間や元請け様、そして愛ある言葉で目を覚まさせてくれた税理士さんのおかげです。心より深く感謝申し上げます。
看板は新しくピシッと引き締まりましたが、私たちの根っこにある「足立区に優しく、人に優しく」という想いはこれからも変わりません。
無理な背伸びはせず、自分たちの手の届く範囲で、目の前のお客さまに誠心誠意向き合っていく。
そんな等身大の歩みを、この新しい看板とともに、また今日から一歩ずつ積み重ねてまいります。
◇
それでは皆さま、どうぞ心穏やかな週末をお過ごしください。
また来週の会社ブログでお会いしましょう!

